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ひろの部屋

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妄想ドラマ第7話。

明け方まで続いた二人だけのドレスコードの無くなった
熱いBirthday Party。
シーツに包まった二人はまさに、公私ともに
最高の日々を過ごしていた。

その翌日。
今日は、プレゼンの選考結果の出る日だった。
ワタルとサエコは、緊張感もあったが、やるだけの事は
やった達成感に笑顔で出席した。

結果。
ワタルのプレゼンが見事最終選考で勝った。
「ワタル、やったわねっ!」
サエコとワタルは、しっかりと握手を交わした。
「さぁ、これから忙しくなるぞ。君もよく頑張ってくれたな。」
「ありがとう、これからね。よろしく。」
ビジネスパートナーとしても二人は、抜群だった。

その夜、二人で祝杯を交わしていたとき、
ワタルの携帯が鳴った。
ホテルからだった。
「どうしたの?」
サエコは、ワタルの顔色が変わった事に気づき言った。
ワタルは、少し間を置き冷静さを装い、
「実は、妻が交通事故にあった。詳しい事は、今はまだ分からないらしい。」
サエコの笑顔も酔いも一気に醒めた。
「どうするの。」
なんと言っていいか分からないサエコは、沈黙を遮るために
辛うじて、その一言だけ発した。
「………。」
ワタルは、今までサエコに見せた事の無い表情を浮かべて、
立ちすくんでいた。
「とりあえずホテルへ戻るよ。詳しい話を日本にもう一度
こっちから連絡とりたいから。」
「じゃあ私は、もう少しココにいるわ。」
本当は、ワタルの事が心配で一緒に戻りたかったサエコだが、
今のワタルは、「夫」の顔をしていたのを察してそう言った。
「なにか分かったら連絡するよ。ごめん。」
そう言って、ワタルはひとりでホテルへ戻った。

一人残ったサエコ。
グラスを傾けながら、改めて自分が、不倫というものに
身を置いている事を実感した。
もちろん、人としては、ワタルの妻の事も心配ではあるが、
初めて見せたワタルの「夫」という顔が、脳裏に焼き付いて
離れなかった。
無性に寂しさと孤独感が襲って来た。
ニューヨークに二人で来てから、まさに最高潮の幸せを
感じていただけに、サエコの心は奈落の底へと導かれて行った。
                      つづく
by yhirosroom | 2007-01-04 19:09 | Comments(2)
Commented by NON at 2007-01-05 00:27 x
夫としての顔(--)当たり前だぁあああ~ギャハ~ハ でも、何とも云えない孤独な気持ちは解るワカル・・・?
Commented by yhirosroom at 2007-01-05 00:51
n_antonini@@
だんだんNONさんのコメ自体がおもろくなって来た!

徒然日記


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